Wonderful DaysⅠ




「彼を放してやれ。私の大事な客人だ」


「はい」


俺を締め上げている黒服の男に、視線を向けたマリアの兄貴。

それに頷いた黒服に、すんなりと解放された俺だったが、掴まれていた手首は赤くなっていた。

小学生相手に、なんて力で掴むんだよ!

文句の一つも言ってやりたくて、手首をさすりながら俺を押さえ込んでいた黒服を睨み付けたが、フンと軽く鼻であしらわれた。


───むかつく!!


「社長、会議のお時間が迫っています」


黒服に気を取られていると、後方で立っていた秘書らしき男が、腕の時計に視線を落としながらマリアの兄貴に声を掛ける。


「これから、彼と大事な話がある。この後の予定はすべてキャンセルだ」


「……っ!? ですが、先方は既に……」


返ってきた否定的な言葉に、慌てる秘書だったが


「聞こえなかったか? キャンセルだ」


「……っ……畏まりました」


それを一蹴して、強制的に話を終わらせたマリアの兄貴。