Wonderful DaysⅠ




視界の先には、既にリムジンから降りて本社ビルに足を向けていたマリアの兄貴、“マーク・ウィンザー”がいた。


「あのっ!」


全速力で走りながらも、足を止めたくて大声で叫べば


「何だ、お前は?」


彼が振り向くのと同時に、間にいたボディガード達が俺の前に立ちはだかる。


「俺っ……」


此処で何が何でもマリアの兄貴と話をしなければ、この先、会う事ができないような気がした。


「マリアの事で、話があるんです!!」


屈強な黒服に押さえ込まれながらも、何とか声を張り上げれば


「───マリアの……?」


“マリア”の名前に反応した彼。

そして、数歩近づいて俺の顔を確認すると、驚いたように目を見開いた。