「……っ! 父さん、ごめん。今から、人と会ってくるから帰りはもう少し遅くなる」
『おいおい。こんな時間から、一体、誰に会ってくるって言うんだ!?』
俺の言葉を聞いて、焦っている父さんに
「マーク・ウィンザー」
今から会いに行く人物の名前を告げれば
『マ、マーク・ウィンザー!?』
その名を口にしながら、慌てて聞き返してくる。
「終わったら、また電話するから」
その時の俺の目には、数十メートル先の漆黒しか映ってなくて
『ちょっと、待ちなさい! か……』
父さんの言葉を聞き終える前に通話を終了させると、リムジンに向かって走り出していた。


