後部座席はフルスモークで覆われていて、車内の人物は確認出来ないが…… 間違いない。 あれは、ウィンザー家のリムジンだ。 『……魁? どうした?』 いつの間にか耳から離れていた携帯からは、父さんの声が聞こえてくる。 「あ~、ごめん、父さん……」 携帯を耳に当て直しながらも、視線はリムジンを追っていて。 『何か、あったのか!?』 「いや……」 心ここにあらずの俺は、父さんの声にも生返事で返すだけだった。 そして、その間にもリムジンは、静かにウィンザーの本社玄関前に横付けされる。