Wonderful DaysⅠ



その後も暫く話をしながら歩いていたが、冷え込み厳しいイギリスの夜。

寒さに耐えられなくなって、彼女と室内に戻った。

パーティー会場には、料理の美味そうな匂いが漂っていて……

隣の彼女からは「キュルル」という音が聞こえてきた。


「……腹減ってるのか?」


「…っ……」


腹の音が聞こえたのが恥ずかしかったのか、顔を真っ赤にして腹を押さえる彼女。

その仕草が可愛くて


「俺も腹減ってるから、飯食うぞ」


腹なんて空いてもいないのに、彼女を食事に誘った。


既に食べていた前菜はすっ飛ばして、目の前のカウンターでローストした七面鳥や牛肉を切ってもらったり、チキンや魚に付け合せ野菜を好きなだけ盛る。

自分の席に彼女と戻っても二人分の席はないし、カウンター近くの空いている席に二人で座って食事を始めた。

普段、あまり喋らない俺だけど。

不思議と彼女との会話は弾み、腹は空いていない筈なのに皿に盛られた料理はあっという間になくなった。