彼女の右手を引いたまま、前方に見えた扉から外へと足を向ける。
「あのっ!」
「………………」
───日本語?
いきなり連れ出されて動揺しているのか、俺に掛けてくる声は上擦っていた。
「此処まで来れば大丈夫だろ。」
そう言って掴んでいた右手を離したのは、パーティー会場の裏手にある広い庭園。
───さっき、確かに日本語喋ったよな?
振り返って彼女に向き合うと、もう一度マジマジと顔を見てしまう。
「お前、日本語話せるのか?」
俺の問いに、無言で頷いた彼女。
「ふぅん……外人なのに凄いな、お前。」
俺と同じくらいの年なのに、日本語を話せるなんてすげぇって、思っていた事を素直に口にしたのに……
「私、外人じゃないっ!!!」
返ってきたのは、意外な言葉だった。


