Wonderful DaysⅠ



ハニーブラウンが手に届きそうな位置まで迫ってきて足を止めた。

相変わらずドクドクとうるさい心臓は、彼女を目の前にしてその速度を増してくる。

そんな状態の俺を知る由も無い父さんが、隣に並んでジャケットのピークラベル(剣襟)を正し、彼女の背後から声を掛けると


「What happened?(どうかされましたか?)」


その声に、彼女と目の前の男がこっちに振り向いた。


“ドクン”


エメラルドグリーンの大きな瞳と視線が交わった瞬間、俺の心臓が一際大きな音を立てた。


「Can I help you with something?(何かお困りですか?)」


不安げに揺れる瞳が父さんの声に反応して、俺から父さんに視線を移した時……


「お前は、こっち。」


それを他に向けてほしくなくて、彼女の右手を引いてその場を離れた。