「あぁ。彼は貴族なんだよ」 「…貴族……」 声に出して呟いてみても、いまいちピンとこない。 日本人に馴染みの無い階級制度は、ここイギリスでは未だにあって。 この会場の中に入った時も思ったけど、まるで御伽噺の世界。 自分とは、住む世界が違う。 そう思っていたけど…… まさか、その住む世界の違う人達と深く係わり合いになるなんて、この時は思いもしなかった。