蓮さんと綾ちゃんを見送っていたら
「……じゃあ、俺達も行こっか」
いつの間にか隣にいた葵さんが声を掛けてきた。
「はい。よろしくお願いします」
それに返事をすると、車のドアを開けてくれる重盛さん。
「お疲れ様でした」
「こんばんは。失礼します……」
「…どうぞ」
その雰囲気から、あまり物事に動じなさそうな重盛さん。
私が挨拶した時に、動揺したのか……
一瞬、反応が遅れた。
そりゃそうだ。
行きは葵さんと蓮さんしかいなかったはずなのに、帰りは女付きだなんて。
ぺこりとお辞儀をして車に乗り込むと、隣に葵さんが座る。
ドアを閉めた重盛さんが運転席に乗り込むと
「───出せ」
静かに走り出した漆黒の車は、あっという間に修さんの家の前に到着した。


