「え…でも……」
葵さんの家が何処かはわからないけど、遠回りになってしまったら申し訳ない。
だけど葵さんは……
「マリアちゃん一人じゃ帰れないでしょ?
友達は蓮が送って行くし、なんてったってマリアちゃんは超ド級の方向音痴だし?」
悪戯っぽい笑みを浮かべながらウィンクをする。
超ド級の方向音痴なのは、自分でも十分自覚しているから……
「う…よろしくお願いします」
結局、断れずお世話になることにした。
葵さんは車で来ているらしく、後をついて歩いていれば
「ちょっと、マリア」
「ん?」
「本当に大丈夫なの? 御堂と一緒に帰るなんて……」
隣を歩く綾ちゃんが、心配そうに覗き込んでくる。
「大丈夫だよ。葵さんには回り道させちゃうけど……」
「いや…そうじゃなくて……」
何か言いたそうな綾ちゃんだったけど、見覚えのある漆黒の高級車と真っ赤なバイクが見えてくると黙ってしまった。


