「…さっ、寒いっ!」
外気の冷たさに、体がぶるっと震えた。
朝の天気予報では、今夜から冷え込むって言ってたっけ。
小さく息を吐けば、白い吐息が空に舞い上がっていく。
「一気に冷え込んできたわね」
聞こえた声に視線を送れば、隣を歩く綾ちゃんも夜空を見上げていた。
「うん。今年一番の冷え込みだって」
「道理で寒いはずだわ……」
「綾ちゃん、今日は付き合ってくれてありがとね!」
プレゼント選びに付き合ってくれた綾ちゃんにお礼を言えば
「何、言ってるのよ。私なんて何の役にも立ってないじゃない」
「ううん。私一人じゃ、此処まで来る事も出来なかったから本当に助かったよ」
「……マリアは、超ド級の方向音痴だからね」
「あはは……」
「ぷっ…」
控えめに吹き出す声が、後ろから聞こえる。
「マリアちゃん」
「はい?」
声を掛けられて振り向けば
「家まで、送っていくよ」
少し後ろを歩く葵さんが笑いを堪えていた。


