ゆっくりと歩いて来る二人は注目の的で。
葵さんも蓮さんも有名人だから、二人に気づいた周りの女の子達からはキャーキャーと黄色い声が聞こえる。
「げっ! もう、来た……」
「てめぇ、せっかく俺様が足を運んでやってるってのに、いい度胸してんじゃねぇか」
「誰も、頼んでないし!」
「あ?」
目の前で二人の掛け合いを聞いていれば
「久しぶりだね、マリアちゃん。もう、体は大丈夫なの?」
にこりと、今日も爽やかな葵さんが話し掛けてきた。
「はい、もう大丈夫です! 葵さん、その節はありがとうございました!!」
私が高熱で倒れた時に、魁さんの家まで車で送ってくれた葵さんには、まだお礼を言えてなかった。
「聞いたよ。インフルエンザだったんだってね。治って良かった」
「はい、すっかり元気になりました」
葵さんの前でガッツポーズをすれば「そっか」と笑顔を向けてくれたんだけど
「……ところで、マリアちゃん。魁が今、インフルエンザで寝込んでるの知ってる?」
葵さんの口から、とんでもない魁さんの情報を知らされる。


