───こ、怖い……
綾ちゃんの、あの笑顔が怖い。
次に何を言われるのかとビクビクしていれば
「じゃあ、今日はグッドタイミングね!」
何かを思いついたのか、うんうん…と、一人楽しそうに頷いて話す綾ちゃんに、私の頭にはクエスチョンマークが沢山浮かぶ。
「な、何が、グッドタイミングなの?」
恐る恐る聞いてみれば
「何言ってるの。もうすぐ、結城の誕生日じゃない! プレゼントを渡して、もっとアイツに近づくのよ!!」
私が魁さんの婚約者だなんて知らない綾ちゃん。
魁さんとの距離を縮める作戦を考えてくれたんだけど……
既に距離は縮まって幸せいっぱいの私は、綾ちゃんに話せない事が申し訳なくて。
「他の女からは受け取らないと思うけど、マリアからのプレゼントならきっと受け取ってくれるわよ」
誕生日プレゼント……
私が今日、意地でも登校しなくちゃいけなかった理由がそれだった。
家に帰ってしまえば、病み上がりの私には外出禁止令が出されているから買い物には行かれない。
だから学校帰りにこっそりとプレゼントを選んでこようと思っていた。
でも……
「魁さんに何をプレゼントしたらいいのか、わからなくて……」
兄さん以外の男の人にプレゼントなんてした事がない私は、何を選んでいいのか全く思いつかない。


