Wonderful DaysⅠ



「な、何でそう思うのかな…?」


「だって、マリアの周りにいて無口で顔が良い男って言ったら、結城くらいしか思いつかないんだもの」


「ハ…ハハハ……」


もう乾いた笑いしか出てこなかった。

確かに、私の好きな人の特徴を知っている綾ちゃんが、魁さんと知り合いだったなんて知ってしまったら……

私の好きな人なんて、簡単にわかってしまう。


「……図星ね」


「はい……」


疑問系ではなくなっている言葉に、素直に頷いた。


───あぁ…綾ちゃんに好きな人がバレちゃった……


バレてしまった恥ずかしさから俯いていたけれど


「…………」


何も言葉を発しない綾ちゃん。


───あれ? 


あまりの反応の無さに、そろりと視線を上げていけば、無言で私を見ている綾ちゃんとバッチリと目が合ってしまった。


視界に映ったその顔は、と───っても楽しそうに妖艶な笑みを浮かべていて……

暖房の効いた暖かい部屋のはずなのに、なぜか背筋がゾクリと震えた。