Wonderful DaysⅠ



魁さんの事を知っている綾ちゃんに、何て説明したらいいんだろ……

なんて、頭を悩ませながら校舎に入っていけば


「他にも、マリアに聞きたい事があるの」


真剣な顔で聞いてくるから、妙に緊張してしまう。


「聞きたい……事?」


私の言葉に頷いた綾ちゃんは、なぜか教室とは反対方向に進んで行こうとする。


「あ、綾ちゃん? もうすぐHRが始まっちゃうよ!?」


もうすぐHRが始まろうとしているから慌てる私に


「大丈夫よ」


そう言って、廊下ですれ違う同じクラスの女の子に「私とマリアは体調が悪いから、保健室に行きますって先生に伝えておいて」と伝言を頼むと、有無を言わさず歩きだした。


そうして連れて来られたのは、保健室……ではなく、綾ちゃんが所属する弓道部の部室の隣にある空き教室。

パタリと閉まった扉に鍵を掛けた綾ちゃんは、近くにあった椅子を持って来て腰を掛けると


「ねぇ、マリア。マリアと結城って、どういう関係?」


一番、答え難い事を聞いてきた……