魁さんの事を知っている綾ちゃんに、何て説明したらいいんだろ……
なんて、頭を悩ませながら校舎に入っていけば
「他にも、マリアに聞きたい事があるの」
真剣な顔で聞いてくるから、妙に緊張してしまう。
「聞きたい……事?」
私の言葉に頷いた綾ちゃんは、なぜか教室とは反対方向に進んで行こうとする。
「あ、綾ちゃん? もうすぐHRが始まっちゃうよ!?」
もうすぐHRが始まろうとしているから慌てる私に
「大丈夫よ」
そう言って、廊下ですれ違う同じクラスの女の子に「私とマリアは体調が悪いから、保健室に行きますって先生に伝えておいて」と伝言を頼むと、有無を言わさず歩きだした。
そうして連れて来られたのは、保健室……ではなく、綾ちゃんが所属する弓道部の部室の隣にある空き教室。
パタリと閉まった扉に鍵を掛けた綾ちゃんは、近くにあった椅子を持って来て腰を掛けると
「ねぇ、マリア。マリアと結城って、どういう関係?」
一番、答え難い事を聞いてきた……


