Wonderful DaysⅠ



心地良い感触に、一度目を閉じる。


「───魁さんが……ゆう君だったんですね……」


意を決して声を掛けると、握られていた右手に少しの力が込められる。

それに気づいて視線を上げれば


「……その、ゆう君って言うのヤメロ。」


眉間を寄せて、なんだか嫌そうな顔をする魁さん。


「え?」


「名前を最後まで伝えなかった俺が悪いが、なんか……無性に恥ずかしいんだよ」


そう言って横を向いてしまった魁さんの頬は、少し赤かった。


「あ、すみません……」


名前がわからなくて、私も勝手にゆう君なんて呼んじゃってたけど、魁さんにしたら聞き慣れない名前だもんね。


その後の会話が続かなくて、部屋には少しの沈黙が流れる。

だけど、繋がれたままの右手の温もりと穏やかに流れる時間はとても心地が良かった。