その笑顔と右手に感じる温もりに、今まで見ていたのは夢だったんだと、心の底からホッとした自分がいた。
───夢でよかった……
安心したからなのか、次第に滲み始める視界。
「体が辛いのか?」
涙目になった私を見た魁さんが、体が辛いと勘違いしたのか心配そうに聞いてくる。
「いえ、大丈夫です……」
本当は、まだ体が重くてだるい。
「嘘吐くなよ……まだ熱が高いんだぞ?」
遠慮がちに頬に触れてくる魁さんの左手は、ひんやりしていて気持ちが良い。
「本当です……」
そんな私の言葉を信じていない魁さんは、片眉をピクリと動かすと
「……無理すんなよ」
頬に触れていた手で、頭をポンポンしてくる。
───あの時と同じだ……
励ますように優しい、魁さんの手。


