───どうして、お婆様まで私をそんな目で見るの?
何で、そこまでお婆様が日本人を嫌うのかなんてわからなかった。
私の態度が気に入らないと言うのなら直しようもあるけれど、体に流れる日本人の血が気に入らないと言われたら、どうする事も出来ない。
「それでも……私はお婆様の孫です……」
幼かった私は、自分も兄さん達と同じ孫なんだと思ってほしくて言ったんだけど……
「貴女なんて、私の孫じゃないわ!!!」
お婆様の悲鳴に似たような声と共に、パンッ!! ……と、乾いた音がダイニングルームに響き渡った。
「ミシェル様っ!!」
一瞬、何が起こったのかわからなかった。
目の前で私に向かって罵声を浴びせてくるお婆様と、それを慌てた様子で止めに入る執事さんの姿がスローモーションのように流れていく。
遅れてやってきたジンジンとした痛みが頬に広がってきて、やっとお婆様に叩かれたんだと理解する。
「貴女が私の孫だなんて、認めないわ。私の孫は、マークとアルバートの二人だけです!
二度と、私に話し掛けてこないで頂戴!!」
「…っ……」
そう言葉を吐き出すと、速い足取りで部屋を出て行ってしまったお婆様。
執事さんも、その後を追い掛けて行ってしまって、一人取り残された私はその場に座り込んでしまった。
憎々しげに言い放ったお婆様の言葉は、私の心に深く突き刺さり、今でも血を流し続けている───


