「恨むのなら、貴女の母親を恨むのね」
少しの沈黙の後、静かに口を開いたお婆様。
「お…母さんを……?」
「───はぁ……だから、日本人なんて嫌だったのよ……」
深く溜め息を吐いたお婆様が、忌々しげに私を見る。
“日本人”
それは、間違い無くお母さんの事を言っていて……
「貴女なんて生まれてこなければ良かったのに」
「…え……?」
「私の孫はマークとアルバートの二人だけでよかったのに……
ウィンザー家に日本人の血が混じっているなんておぞましい!」
私を映すその瞳は、先輩が私を見るそれと同じものだった。


