Wonderful DaysⅠ



ダイニングルームに沈黙が流れた数秒後。


「その痣が、階段から落ちた時のものではなく、虐めによって出来たと主張するのですね?」


少し興奮気味だったさっきより、若干、落ち着きを取り戻したお婆様が静かに口を開いた。


「はい。なんなら、お医者様に確かめて頂いても結構です」


お医者様の言葉ならば、絶対に納得してくれる筈。

淡い期待を抱いていたのに……


「そうですか。でも……仮に、貴女が虐めを受けていた事が事実だったとして、その原因が貴女にあるとは思わないのですか?」


「私に原因……?」


今度は、虐められるのは私に原因があると言い出したお婆様。


「原因があるから、虐められるのでしょ?」


私が虐められている原因なんて────


「虐めを受け始めたのは、私が日本とイギリスのハーフだと彼女に伝えた頃からです。
それからは、ミックスと呼ばれるようになって、早く国に帰れと……」


そこまで言ったら、悲しくて目頭が熱くなってきた。


「私はっ……彼女達に何も悪い事なんてしていません!! 
ハーフっていうだけで虐められなきゃいけないんですか?!」


言葉を言い終える前に、堪えられなかった涙が頬を伝った。