そこから始まったイジメは、耐え難いものだった。
人気のない廊下では「早く国に帰れ」と言って階段の上から椅子を投げられたり、擦れ違いざまに「臭い」「死ね」等と集団で罵られるのは毎日だった。
教室に入ればヒソヒソ話や、私の顔を見てクスクス笑う人もいるけれど、誰も咎めたりしない。
気がつけば、スクールの中で一人孤立して、誰から見ても浮いた存在になっていた。
その頃は、まだ護身術なんて習ってなかったら、体中痣だらけになるまで殴られたり蹴られたりして、いつ殺されるのかわからない毎日に怯えきっていた。
運も悪かったのかもしれない……
私に話し掛けてきた先輩は、プリフェクトと呼ばれる数人の学校監督生の内の一人だった。
上級学年に属する彼女達は、人格や成績など他の生徒のお手本となる者で、ハウス内の秩序が保たれるように監督し、時には規則違反をした者にトイレ掃除など軽い刑罰を下す役割を担っていた。
下級生の相談に乗ったり、ホームシックになった生徒を慰めたりする事もある彼女達は、校長先生によって選ばれるので責任重大。
だけど、それだけに特権が与えられ大きな名誉にもなる。
そんな彼女が中心になってイジメているから、先生に相談してもイジメの存在自体を認めてくれない。
誰にも助けを求める事が出来なくて、いじめられる自分のどこが悪いんだろう……とずっと考えていた。


