Wonderful DaysⅠ



「だから、時期外れの入学ってわけね……」


そんな私を観察していた先輩がぽつりと呟いた。


「そうです」


その呟きに頷けば


「じゃあ、貴女はハーフなのね?」


「はい」


「やっぱり。貴女のお父様、Lordウィンザーが日本人の女性と駆け落ちをして日本に住んでいたって、本当だったのね……」


「か、駆け落ち?!」


先輩の口から零れた言葉に、思わず大声で聞き返してしまった。

今まで、日本で両親と幸せに暮らしていた私には寝耳に水の話で。


「あら、知らなかったの? 貴女のお婆様に大反対されて、最後まで認めてもらえなかったって聞いているわ」


私よりも詳しく知っている事に驚きを隠せなかった。


「なるほどね……そういう事」


一人納得して目を細めると、妖しげに口角を上げた先輩は


「よ~くわかったわ。答えてくれて、ありがとう」


そう言って私から離れて行った。


───お父さんとお母さんが駆け落ち? 嘘だよね?


この時の私は、その事で頭がいっぱいで先輩の質問の意図も、私の答えに対する反応も理解出来ていなかった。