Wonderful DaysⅠ



さっきは、先生と一緒だったから考え事をしながらでも歩けていたけれど、自分しかいない今は泊まらせてもらっている部屋の扉を探す事だけに集中していた。


───廊下ってこんなに長かったっけ……?


まだ熱がある体は重く、思うように足が進まない。


壁に手をつきながら、ゆっくりと進んでいれば、多分さっき通って来たであろう曲がり角の手前まで到着した。


───此処を曲がれば、すぐだよね……


ふぅ…と息を吐いて一歩を踏み出すと


「いやぁ、突然ご自宅の方にお邪魔してすみませんでしたな。
娘の月が、どうしても息子さん達にご挨拶したいと言うもので……」


角を曲がったところで、聞こえてきた声に足を止めた。


───今、ユエって言った…?


ゆるゆると視線を向ければ、奥の部屋から出てきたのは男の人が四人と、女の子が一人。

男の人の一人は、さっき私のお手洗いに付き合ってくれた先生だった。