「はい、どうぞ?」
「ありがとうございます……」
扉を押さえて待っていてくれる先生に、笑顔でお礼を言ったけれど……
頬が引き攣っていたし、うまく笑えていないと思う。
恥ずかし過ぎて、先生と視線を合わせずに中に入った。
「はぁ……お手洗いに来ただけなのに、何でこんなに疲れるの……」
用を足して洗面台の鏡を見れば、当たり前のように映る変装前の自分。
さっき、愛さんが私の事を可愛いと褒めてくれたけど……
「私、こんな酷い顔を魁さんや先生達に見られてたの?」
きっと…いや、かなり無理のあるお世辞だったに違いない。
だって、鏡に映る私の姿は酷すぎる。
髪の毛はボサボサだし、お手入れをしていない肌は乾燥していてボロボロ。
まだ高い熱のせいで目は腫れぼったいし、何よりも生気が無い。
自分で言うのもなんだけど……
「死人に見える……」
人様に見せられる状態じゃない事だけは確かだった。


