「まぁ、到着するまでもう少し時間が掛かるみたいだから、ゆっくりしてればいい。
取り敢えず、これで水分摂って俺が帰って来るまでに体温測っといて」
「…はい」
目の前に差し出されたペットボトルと体温計を受け取れば、スタスタと部屋を出て行ってしまう先生。
その後姿を見送って、パタンと静かに閉じた扉を見ていれば、私の口からは無意識に溜め息が漏れていた。
「……はぁ」
取り敢えず、先生に言われたとおり脇に挟んで体温を測る。
ものの数秒でピピピッと鳴った体温計を取り出して、液晶に映る数字に視線を走らせれば
「38.4℃か……」
まだ少し高い熱ではあったけれど、昨日までと比べれば体の状態は大分良くなっていた。
水分を摂ろうと、ゆっくりと上体を起こせば頭がクラクラする。
「うぅ~っ、気持ち悪い……」
久し振りに起き上がった気分は最悪で。
片手で蟀谷を押さえて、ベッドヘッドに敷き詰められたクッションに力なく凭れる。
「ふぅ…」と小さく息を吐いてから、ペットボトルの蓋を捻ってみたけれど……
「あ…開かない……」
力が足りないのか、びくともしない。


