“なんて顔”って、どんな顔?
魁さんから目を逸らせないから、自分の表情なんてわからない。
何も言わない私を見下ろしている魁さんは「はぁ…」と小さな溜め息を吐くと
「ひでぇ顔してる」
ぽつりと呟いて、添えていた親指で頬をなぞった。
「…………」
本来ならば、魁さんにこんな事されて真っ赤になるであろう私の顔色は、彼の一言で真っ青に変わる。
───ひでぇ顔…?
何処に行っても「ブス」だの「地味」だのと言われ続けていたから、そんな事は知っているんだけども。
魁さんに面と向かって言われると、心に受けるダメージは計り知れない。
───ダメだ……
ショックが大き過ぎて、涙が出そうなんだけど……
私の歪んでいく表情に気付いた魁さんは
「…お前、何か勘違いしてるだろ」
呆れたように片眉を上げる。


