Wonderful DaysⅠ



“なんて顔”って、どんな顔?

魁さんから目を逸らせないから、自分の表情なんてわからない。


何も言わない私を見下ろしている魁さんは「はぁ…」と小さな溜め息を吐くと


「ひでぇ顔してる」


ぽつりと呟いて、添えていた親指で頬をなぞった。


「…………」


本来ならば、魁さんにこんな事されて真っ赤になるであろう私の顔色は、彼の一言で真っ青に変わる。


───ひでぇ顔…?


何処に行っても「ブス」だの「地味」だのと言われ続けていたから、そんな事は知っているんだけども。

魁さんに面と向かって言われると、心に受けるダメージは計り知れない。


───ダメだ……


ショックが大き過ぎて、涙が出そうなんだけど……

私の歪んでいく表情に気付いた魁さんは


「…お前、何か勘違いしてるだろ」


呆れたように片眉を上げる。