Wonderful DaysⅠ



悪いな…と思いながら無言で上目がちに見ていれば、何故かハァハァと呼吸が荒く、耳まで真っ赤になっている田中さん。


「…プッ、プリーズ……!!」


口から発せられた必死な言葉とともに差し出されたのはペットボトルのホットココア。

こんなに息が切れているのは、走って買って来てくれたから?

ここまでしてくれて、無視なんて出来ないよね……


「…あ…Thank you ……」


思わず、普通に“ありがとう”と言いそうになったのを、慌てて言い直して引き攣る笑顔でホットココアを受け取った。


───で…どうすればいいの?!


ホットココアを受け取っても、目を見開いた田中さんは手を差し出したまま微動だにしないから、窓を閉める事も出来ない。

何でだろうと、田中さんの手を見ていてハッとした。


───そうだ……私、ココアのお金払ってないじゃん!


田中さんにお金を払っていないと気付く。

でも、お金を待っているんだとしても、今の私は無一文。


英語しか喋れない事になっている私は、英語がわからない彼にどう伝えればいいのでしょうか……