魁さん、英語喋れたんだ……
悠然と歩いて来る魁さんは、私の前で足を止めると
「We need a little more time to discuss.(まだ、時間がかかる)」
申し訳なさそうに、私の頬に触れた。
それだけで、私の体温は急上昇して顔に熱が集まるのがわかる。
きっと、今の私は顔が茹蛸。
厚化粧でわからないと思うけど……
「You'll freeze staying outside.(これ以上、外にいたら体が冷える)」
そう言って、私の頬に触れていた手をするりと腰へ回した。
びくりと腰が跳ねてしまったけれど、何とか変な声は出さずに済んだ。
それにしても……
───何で、魁さん英語で話してるんだろう…?
疑問に思いながら見上げれば
「Get into the car.(車に乗っていろ)」
緩やかに口の端を上げて、またしても綿菓子のような甘い雰囲気を醸し出していた魁さんが映った。


