Wonderful DaysⅠ



足元に落としていた視線を、ゆるゆると上げていけば……

数メートル先では、葵さんの隣に居た蓮さんと三人で何やら話しをしている魁さん。


さっきまで醸し出していた甘い雰囲気は一切消えて、ピリピリとしたいつものようなオーラを纏っている魁さんは近寄り難い。


それを感じ取っているのか、『神威』の人達も顔を強張らせて緊張しているように見える。

きっと、総長をしていた時はこんな感じだったんだろうな……と、特攻服姿の魁さんを想像していれば


「…あのっ……」


突如、横から声を掛けられた。


「はい?」


反射的に返事をして、視線を向ければ


「結城さん達はまだ時間が掛かるそうなので、車の方へどうぞっ…」


耳まで真っ赤になった田中さんが立っていた。