「す、すみませんっ!!」
縺れた足は使い物にならず、魁さんに凭れ掛かるように抱きとめられていた。
「クックッ……お前、ほんとに飽きないな。何で、動いてもいないのにコケるんだよ」
私の阿呆さ加減に笑いが止まらない魁さんは、爆音が目の前に迫って沢山のバイクのヘッドライトに照らされても肩を揺らしていた。
「おい……こんな所で、何イチャついてんだよ」
ギュッと、タイヤのゴムを焼きつかせながら止まったバイク。
次々と集まって停車していくバイクの先頭から発せられた声には聞き覚えがあった。
「──…うるせぇ…」
声の主を確認しようとしているのに、魁さんの腕に固定されていて頭を動かせない。
「おいおい。心配して探し回ってたっつーのに、それはねぇんじゃねぇの?」