スマホの操作を終えた魁さんに


「魁さん、逃げなくていいんですか?」


慌てて聞いてみる。

迫ってくる大爆音と凄い数の光が、恐ろしくて仕方がない。

でも魁さんは、その音を聞いても光に照らされても動じる事は無く


「あぁ、心配ない」


短く言葉を発すると、光の先に視線を向けた。

魁さんは心配ないと言うけれど……


初めて見る光の数と耳を劈く(つんざく)爆音に、足が竦んで上手く立っていられない。

普段から履き慣れないパンプスなんて履いているからだろうか……

動いてもいないのに足がグラついた。


「うわっ!」


車道側にコケると思った次の瞬間


「大丈夫か?」


右側から伸びてきた手に抱き寄せられた。