Wonderful DaysⅠ




「俺は、暇じゃねぇぞ」


そう言って、バイクに跨った白石はエンジンを掛けると私達の後ろに視線を流す。

魁さんも後ろを振り向くから、つられて見たけれど……


───何もないよね?


辺りにはカップルらしき影が一つだけ。

他に気になる事と言えば、さっきから遠くの方で聞こえていた凄い数のバイクの音が段々と大きくなってくるくらい。


…って、もしかしなくてもそれの事?


───今度は、どこの暴走族なの……


「今日は、暴走する予定なんてねぇ筈なんだがなぁ?」


魁さんに視線を向けて、にやりと口角を上げた白石は、徐にポケットに手を突っ込んでスマホを取り出すと

…カシャッ

シャッター音を響かせて私の写真を撮った。


「…………」


「何してる」


突然の出来事に声が出ない私と、地を這うような低い声で白石を睨みつけた魁さん。