言葉には出さないけれど“大丈夫だ”と言われているみたいで、それに応えるように私も握り返した。
もしかしたら、今度こそ暴走族に追い掛けられるかもしれない……
密かに走る準備をしていれば、前方から照らされた光が眩しくて目を細める。
魁さんは、そのまま進んで行くけれど案の定、私達の前にバイクを滑らせて停止した暴走族……
「よぉ、結城。久しぶりだなぁ?」
バイクに跨ったまま魁さんに話しかけてきた男はライトの逆光で顔が見えない。
「…………」
話しかけられた魁さんは無言で相手を睨んでいて、私は声を出す事も出来ずに斜め後ろで立っているだけ。
「おい、何とか言えよ!!」
痺れを切らした男はエンジンを切って魁さんに怒鳴った。
それでも無言を貫く魁さんは、男の顔を見て「──…はぁ…」と、溜め息を吐く。


