何度、電話しても出てくれない慧さんに
「アイツ、覚えてろよ……」
スマホを握り締めて、地を這うような低い声で唸った魁さん。
───こ、怖い……
慧さんを諦めた魁さんは、再びスマホを操作してホテルに予約を取ってくれたのだった……
「直ぐ近くのホテルだけど、歩けるか?」
私の足に視線を向ける魁さんに
「はい、もちろんです」
笑顔で頷けば、自然と手を取られて歩き出す。
無言で歩いているからなのか、どうしても気になって握られた手に視線がいってしまう。
魁さんは何とも思っていないだろうけど、私にとっては夢のような出来事で……
周りにグルッと視線を流してみれば、イルミネーションで飾られたビルが建ち並んでいて。
その中を、手を繋いで歩いているなんて……
周りから見たら、まるで恋人同士みたいじゃない?!
───キャーッ!!
一人、脳内で盛り上がって、熱くなった頬を魁さんに気付かれないように、握られた手と反対の手で覆う。
まぁ、見てもらえるほど周りに人はいないんだけどね……


