Wonderful DaysⅠ



何度、電話しても出てくれない慧さんに


「アイツ、覚えてろよ……」


スマホを握り締めて、地を這うような低い声で唸った魁さん。


───こ、怖い……


慧さんを諦めた魁さんは、再びスマホを操作してホテルに予約を取ってくれたのだった……


「直ぐ近くのホテルだけど、歩けるか?」


私の足に視線を向ける魁さんに


「はい、もちろんです」


笑顔で頷けば、自然と手を取られて歩き出す。

無言で歩いているからなのか、どうしても気になって握られた手に視線がいってしまう。

魁さんは何とも思っていないだろうけど、私にとっては夢のような出来事で……


周りにグルッと視線を流してみれば、イルミネーションで飾られたビルが建ち並んでいて。

その中を、手を繋いで歩いているなんて……

周りから見たら、まるで恋人同士みたいじゃない?!


───キャーッ!!


一人、脳内で盛り上がって、熱くなった頬を魁さんに気付かれないように、握られた手と反対の手で覆う。


まぁ、見てもらえるほど周りに人はいないんだけどね……