Wonderful DaysⅠ




───何?


そう思って前の車両に視線を向けようとしたところで、発車を知らせるメロディーがホームに響き渡った。

それを、なんとなく聞きながら前の車両を見ようとすれば、ドアが閉まる直前にいきなり横にブレた視界。


「え?」


一瞬、見えた人物に目を擦って、もう一度確認してしまう。

電車に乗って何処かに行くのかと思っていたのに、私と魁さんはドアが閉まる直前に電車を降りてホームに立っている。

その今まで乗っていた電車の窓からは、見慣れた人物の姿が見えていて……


「グレゴリーさん…?」


私とばっちり目が合った強面の人物は、アル兄さんのSPのグレゴリーさんだった。


───何で、此処にグレゴリーさんが居るの!?


こんな所に居る筈の無い人物に首を傾げる暇も無く、発車した電車を横目に再び歩き始めた魁さん。

その魁さんを見上げれば


「あと一人……」


ホームの遠くを見て呟いた。