Wonderful DaysⅠ



「さっき、正面玄関から出て行く時、俺に気付いて口パクで何て言ったと思う?」


「え? あの時、居たの!?」


よく、アル君が見逃してくれたな……

不思議に思いながらも、目の前のアル君の言葉が気になる。

いい度胸って……魁君、何言ったのさ?


「“マリアは貰って行く”だと。俺を目の前にしても、動揺する素振りすら見せないんだぜ?
初めて会った時から、あの態度は変わらないな」


そう話すアル君は、昔を思い出しているのか懐かしそうな顔を見せた。


「初めて会った時も、そんな感じだったの? 魁君って」


「もっと酷かったぞ。俺が二人を見つけた時はマリアの額にキスしていたし、擦れ違いざまに“18になったらマリアを貰いに行く”って捨て台詞まで残して走り去って行ったんだからな」


魁君……

君って、小学生の時から鋼の心臓の持ち主だったんだねぇ。