「さっき、正面玄関から出て行く時、俺に気付いて口パクで何て言ったと思う?」
「え? あの時、居たの!?」
よく、アル君が見逃してくれたな……
不思議に思いながらも、目の前のアル君の言葉が気になる。
いい度胸って……魁君、何言ったのさ?
「“マリアは貰って行く”だと。俺を目の前にしても、動揺する素振りすら見せないんだぜ?
初めて会った時から、あの態度は変わらないな」
そう話すアル君は、昔を思い出しているのか懐かしそうな顔を見せた。
「初めて会った時も、そんな感じだったの? 魁君って」
「もっと酷かったぞ。俺が二人を見つけた時はマリアの額にキスしていたし、擦れ違いざまに“18になったらマリアを貰いに行く”って捨て台詞まで残して走り去って行ったんだからな」
魁君……
君って、小学生の時から鋼の心臓の持ち主だったんだねぇ。


