まぁ、そんな事をしても無意味なんだけど。
案の定、俺の挨拶を無視した魁君は、階段を下りきった所にあるグランドピアノの傍で俺の胸倉を掴むと
「───…マリアは、何処だ。」
ドスの利いた低~い声で、単刀直入に聞いてくる。
でも、そんな事は
「俺が、知りたいんだけどね……」
俺も、マリアちゃんの行方を捜しているんだし。
階段の上の方で、OLらしき女達がこっちを見て頬を染めながら通り過ぎて行くのが見えたけど、一向にマリアちゃんは姿を現さない。
それにしても、マリアちゃんは何処に行っちゃったんだ?
「あ?」
俺の答えに納得しないのか、眉間に皺を寄せて凄んでくる魁君に
「だから、俺も探しているんだってば」
本当の事を言ったのに、信じてもらえないのが悲しい……


