Wonderful DaysⅠ



───あ~、怒ってるなぁ……


予想通りの態度に、思わず苦笑いを零す。

ラウンジ全体を見渡せるその場所で、一人ソファーに腰を掛けて俺を睨みつけているのは我が弟の魁君。


───最早、兄に対して向ける視線じゃないよね?


っていうか……

魁君の醸し出している殺気のせいで、誰も君の周りに近付いて行かない事に気付いてる?


あんな状態で、ずっと此処に居たんだろうなぁ……

2時間近くも。


他のお客さんも、落ち着かなかっただろうなぁ……なんて思っていれば、俺の傍にマリアちゃんの姿が見えないからか、辺りを確認してソファーを立ち上がった魁君が一歩一歩近付いて来た。


「やぁ、魁君!」


俺も階段を下りながら、取り敢えず明るく声を掛けてみる。