───え? 嘘っ! こっちに来るの!?
うろたえている私から、視線を逸らさずに向かってくる魁さん。
「こっちに来るよ!」
「きゃー、どうしよう!」
隣にいる女の人の興奮している声が聞こえてくるけれど、もうそれどころじゃなくて……
短い階段をあっという間に上りきってしまった魁さんは、私の目の前で足を止めると
「───…マリア」
私の名前を呼んで、蕩けてしまいそうな笑顔を向けてくる。
「は、はいっ!」
ぼんっ!! と音がしそうなほど、一気に顔が赤くなったのが自分でもわかった。
だって、その笑顔は反則です……


