Wonderful DaysⅠ




───え? 嘘っ! こっちに来るの!?


うろたえている私から、視線を逸らさずに向かってくる魁さん。


「こっちに来るよ!」


「きゃー、どうしよう!」


隣にいる女の人の興奮している声が聞こえてくるけれど、もうそれどころじゃなくて……


短い階段をあっという間に上りきってしまった魁さんは、私の目の前で足を止めると


「───…マリア」


私の名前を呼んで、蕩けてしまいそうな笑顔を向けてくる。


「は、はいっ!」


ぼんっ!! と音がしそうなほど、一気に顔が赤くなったのが自分でもわかった。

だって、その笑顔は反則です……