───ドクンッ……
魁さんのダークブラウンの双眸が、私を捕らえた瞬間。
その視線に射抜かれて、体の機能が停止した。
さっきまでドキンドキンと心臓の音が煩く鳴り響いていたのに、その心臓の鼓動すら止まってしまったような感覚で。
慧さんを睨み付けていた眼力のままこっちに向いた魁さんの、背筋も凍るような視線がグサグサと突き刺さる。
───こ…怖いよーっっ!!
久しぶりに向けられた、恐ろしい眼力に肩が竦む。
でも、そう思ったのは一瞬。
次の瞬間には、魁さんの切れ長の瞳が大きく見開かれて、驚いたような表情に変わる。
「───マリア……」
声は聞こえなかったけれど、口の動きから魁さんが私の名前を呟いたのがわかった。


