鏡で確認をすれば、店長さんが教えてくれたとおり、コンタクトを外した目は少し赤かった。


「ありがとうございました」


お礼を言って手鏡を返すと


「いいえ。お疲れ様で御座いました。お足元のパンプスに履き替えて、こちらにどうぞ」


にこりと笑顔で受け取って、私が座っている椅子の下へと促す。

足元を見れば、クロスストラップの付いたオフホワイトのラウンドトゥパンプスが綺麗に揃えられていた。


「はい」


履いていたスリッパを脱いでパンプスに履き替えて立ち上がると、部屋の扉の所で店長さんが待っていた。


「あの……ありがとうございました。途中まで眠ってしまってて、すみませんでした」


お礼と謝罪の言葉を述べれば


「いいえ。ご来店された時から、ご気分が優れないようでしたので。今は、ご気分はいかがですか?」


そういえば、慧さんの車と運転で酔ってたんだっけ……