Wonderful DaysⅠ



私の周りでバイクを運転する人なんて蓮くらい。

その蓮の周りは族だらけで、メットを被っている顔見知りを見た事も無いし。


「お前、こんな所に来るなんてどうしたんだよ!?」


私が考えている間にも、馴れ馴れしくバイクの人に話し掛ける蓮。

それに反応を見せたその人は、被っていたメットに手を掛けて……


ゆっくりとメットを脱いだ人物に、視線が釘付けになった。


───う、嘘っ!!


「……結城?」


有り得ない人物の出現に、思わず口に手を当てて名前を呼んでいた。

蓮と同様、結城と御堂も同じ中学に通っていた同級生だったけど、結城とは会話をした記憶が無い。


高校に入ってからは姿すら見る事も無くなって、周りの噂を耳にするだけだった結城が何故こんな所に……