Wonderful DaysⅠ



───もう、来てるしっ!


正門を潜れば、目に飛び込んでくる真っ赤なボディの単車。

嫌と言うほど見慣れている、この単車の持ち主は……


「……遅ぇ」


今日も、不機嫌だ。


「煩い。学校の正門前で煙草なんて吸ってるんじゃないわよ、蓮!」


咥えていた煙草を取り上げて地面で踏み付けると、鋭い目つきで睨みを利かせてくる蓮は、隣の家に住む幼馴染だ。


「で? 部活のミーティングまで休んで、此処にいるんだから、ゆっくりと聞かせてもらうわよ?」


「てめぇは、人使いが荒ぇんだよ」


蓮を一瞥すれば、心底嫌そうな顔をする。


「で?」


もう一度、念を押して聞けば


「だから、暁って女は魁の婚約者じゃねぇよ」