「なら、どうして?」


『俺が、知る訳ねぇだろ!』


少しムキになった男にイラッとして


「わからないなら、直ぐに調べて報告して。」


『え? おい、ちょっ…』


返事を待たずに、通話をぶった切った。

スマホの画面を見れば、もうすぐ昼休みが終わってしまう時間になっていて。


「昼ご飯食べ損ねたわね……」


盛大な溜め息を吐いてスマホをポケットにしまった。

そこで脳裏に浮かんだのは、マリアの事。


「まだ食堂にいるかしら……」


食堂に残してきたマリアが気になって、足早に向かった。