「あ~、転校生を紹介する」
教壇の横に立った美少女に皆の視線が集まる中、先生の声だけが響く。
カツカツと音をさせて黒板に書かれていく名前を見ていたら
「ほいっと。んじゃ、自己紹介して~」
転校生任せの先生の声。
私の時から、何ら変わらない転校生の紹介に
「はい。美園学院から転校して来ました『暁 月(アカツキ ユエ)』です。
よろしくお願いします」
動揺する事無く、にこりと微笑んで自己紹介をした暁さん。
笑顔も可愛いけど、名前も美しい……。
垂れ目がちのぱっちり二重の黒い瞳に通った鼻筋、ふわふわのウェーブがかった髪の毛は背の中ほどまであって、まるでお人形さん。
凄いなぁ……
なんて、転校生の美少女に気を取られて、すっかり綾ちゃんの事を忘れていた私。
「ゆっくりと聞かせてもらうわよ、マリア?」
お昼を知らせる鐘の音と共に現れた綾ちゃんに、再び頬が引き攣った。


