そんなに酷い顔なんだろうか……
「月曜日からそれじゃ、1週間もたないわよ?」
席に着いた私の横に陣取った綾ちゃんは、私の頬を人差し指で突いてぷにぷにする。
「綾ちゃん。私、病気かもしれない……」
溜め息を吐いて出た言葉に、綾ちゃんは目を見開いた。
「どこをどう見ても、健康体にしか見えないけど……」
「この間から、私の心臓変なの」
「は? 心臓?」
意外に大きな声が出てしまったのか、口を押さえた綾ちゃんが「詳しく聞かせて」と凄んでくるから、内容を端折って説明した。
すると、話を聞き終えた綾ちゃんの目が怪しく弧を描く。
「ふふふ…」
含み笑いをして、私に顔を近付けてきた綾ちゃんは
「マリア。それは、病気じゃなくて恋よ、恋!」
切れ長の綺麗な瞳を輝かせて断言した。