Wonderful DaysⅠ



「だ、大丈夫です!」


「そうか……」


そう言ったまま、無言で私を見下ろしている魁さん。


───な、何だろう……?


いつもなら、直ぐに行ってしまうはずなのに、今日はいつまで経っても動く気配も無く、私から視線を外さない。


───私、何かしたんだろうか……


何か言われるんじゃないかと緊張で心臓が痛いんですけど……

魁さんからの視線に耐えられなくて、自分の視線を下げた。

そんな中、魁さんの口からポツリと零れた言葉。


「───目」


「え? 目?」


思わず聞き返してしまった。


「コンタクトしなかったんだな……」


「時間が無かったのもあるんですけど、目が少し痛かったので今日はやめました」


下げていた視線を、魁さんに戻せば


「そうか」


そこには珍しく……いや、初めて王子様のような笑顔で微笑んでいる魁さんが映っていて、ドクリと跳ねた心臓に、さっきとは違う痛みが走った───