手の感覚が戻ってからブラシを取り出して髪を梳かす。
───痛いっ!
鏡を見てみればネックレスに髪が引っ掛かっていた。
何とか解こうとしたけれど……
項の辺りで絡まっているから全く見えず諦めた。
ブラシを鞄にしまってトイレを出れば、田中さんの姿はそこには無くて
「田中さ~ん?」
小声で呼んでみたけど反応なし。
───何処に行っちゃったの!?
私、一人じゃ、あの部屋に戻れないんですけど……
そろりとドアを閉めれば
「何やってんだ、クソ女」
後ろから聞こえた声。
それに振り向けば、壁に背中を預けて私を睨んでいた蓮さんが居た。
「おトイレ借りてました」
「クソする前に、言ってから行けよな。クソ女!」
───クソ?
「違いますっ!!」


