Wonderful DaysⅠ



バタンと閉まったトイレのドア……


───田中さーん!?


「かなり歩きますけど、この先にもう一つトイレあるんで……」


えっ? まだ我慢しなきゃダメなの?!


「急ぎで願いしますっ!」


摘み出されたトイレから、かなり歩いたその先に……


「あの、真正面のドアがトイレっす!」


田中さんが指差すドアへと駆け込んだ。

確かに遠いけど。
ちゃんと、普通のトイレがあるのなら最初から、こっちに案内して欲しかった。

さっきのタバコ臭い大きなトイレとは違って、此処のトイレは個室。

空気もクリーンだし、綺麗に掃除もされていた。

無事に用を足し終えて、手を洗う。

有難い事に此処の水道、お湯が出る!

悴んだ手を温めるように洗うと、感覚の無かった指先がジンジンとしてきた。