Wonderful DaysⅠ



学校の先生には


「学校で迷子になった奴は初めてだ」


と鼻で笑われ、クラスメイトには


「嘘でしょ!?」


「ギャグだよね?」


と馬鹿にされた。

悪気は無いんだろうけど、本気で迷子になって焦っている私に、その反応はかなりショックで。

せめて『建物の中でくらいは迷子になるまい』と心に誓ったのだけど……やっぱり不安。

このビルは外見からもわかったけれど、かなり広い。
迷子になる要素が満載だ……


神威の人達がすれ違う度に、魁さん達に挨拶をしていくんだけど、私を見ると顔を顰めたり、驚いたりしてる。

もしかしなくても、歓迎されていないのはわかっているけれど家に帰れない私。


───今日だけは許して下さいっ!


心の中で謝りながら、3階建ての最上階まで階段を上がって、一際大きなドアを開いて中に入って行くと……

至ってシンプルな部屋に辿り着いた。

革張りのグレーのソファーに、楕円形のガラスのテーブル。
大きな液晶テレビと、離れた所に冷蔵庫。

部屋の奥にあるのは、よくテレビとかで見る社長さん用の豪華な机と椅子。


───此処は一体、誰の部屋なんだろう?